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U19スクラムプロジェクトより
スクラムの組み方に関するルール変更に伴い「安全で正しいスクラムの組み方」の普及を目指し発足されたU19スクラムプロジェクトは、この一年間の活動の総括として、全国高校ラグビー大会でのスクラムを検証するとともに、その検証結果から次年度に向けた課題等も検討させていただきました。
その結果をとりまとめたものを下記のとおり述べさせていただきます。各ブロック・都道府県でのスクラム指導の参考にしていただければ幸いです。
1 全国高校ラグビー大会 スクラムの検証
- 全国大会ということもあり、「スクラムを組む」ということに関しては、概ね安全に、スムーズに組めていた。これも、選手の目線で4段階のコールをしてくれるなど、レフリーの皆さんの協力・指導者の皆さんの日頃の指導のおかげと感謝する次第である。
- このレベルのチームでも「クラウチ」の姿勢がとれていないチームがあった。今後も「基本の徹底」は継続していかねばならない。
- 「タッチ」のコールでお互いが上腕の外側を軽くふれるPRが目立ちました。しっかり、肩峰突起の部分をさわるよう指導をお願いします。
- フランカーが故意に開いてPRの肩を外側の手で押しているチームがあった。U19スクラムプロジェクトとしては、当初よりスクラムが安定するということで、フランカーは外側の手を地面について、スクラムの下からボールを見るつき方をすすめてきた。再確認をするとともに、徹底方もお願いしたい。
- 敵ボールスクラム時、ロック・NO8は頭を抜いて上からボールを見ている。フランカーはロックにしっかりバインドしておらず、肩もプロップを押せる形にはなっていないチームはいまだに多々見られた。もし、この状態で相手チームにプッシュをかけられたら危険である。
- 4・5などについては、レフリー委員会とも連携をとり、もっと厳しく反則をとる方向でもよいのではないかという意見も多かった。
- 全国トップレベルのチームでも、スクラムを意図的に回してディフェンスしやすい形を作ろうとしたり、2列・3列はスクラムを組んでおらず、ほとんど単に肩をつけているだけというチームがあったのは残念であった。
2 次年度に向けた課題
1, 基本のさらなる徹底
花園でも「クラウチ」の姿勢がとれていないチームがあるということは、地方では体幹の強化、基本姿勢の徹底指導がまだまだ不足しているということだと思います。再度「安全で正しいスクラム」のDVD・「スクラムトレーニングプログラム」のDVDを確認し、全国すみずみまでこの基本を徹底させていきたいと考えております。皆さんのご協力をお願いします。
2, 2列・3列のプレーヤーの正しいスクラムの組み方の徹底
今回の花園の大会で最も気になった部分だと思います。レフリーの皆さんとも連携をとりながら、2列・3列もしっかりとしたスクラムが組めるようにすることが、今後の大きな課題であると考えております。
3, 検討事項
U19スクラムプロジェクトの会議の中で話題となり、はっきりとした結論が出せないでいる事項を2点挙げておきます。是非、皆さんからの活発なご意見をお願いします。
1, 「首をとる」という日本独特の行為に代表される、スクラムに関する細かい技術または小細工について
このことが、「安全で正しいスクラム」「フラットに、スクゥェアに組むスクラム」の推進、世界に通用するスクラムの構築のための障害となっている。また勝たんがための小細工を早い段階で教え込みすぎており、大学進学後、その矯正に苦労するという大学の指導者からの声も多い。さらに、これらの行為は外国のトップチームには全く通用しないという各年代の代表チームのスタッフからの声もある。
2, 「フッカーのアンダーパック・オーバーパック」・「プロップのフッカーの短パンへのバインド」の是非について
U19スクラムプロジェクトのメンバーが全国を回り、必ず質問が出た事項です。これについては、皆さんの意見も聞かせていただきながら共通見解を出させていただきます。
3 まとめ
この一年間、「安全で正しいスクラムの組み方」のDVDの作成とその普及、「スクラムトレーニングプログラム」のDVD作成とその普及、「U19サポートプログラム・スクラム限定合宿」に始まった、全国・ブロック・県レベルでのスクラム講習の実施及びスクラムプロジェクトからのコーチ派遣等の活動を実施してきました。当初、講習会のたびに出る参加者からの意見・疑問点をスクラムプロジェクトメンバーで検討し、意思統一を図り、全国に発信するという試行錯誤の繰り返しでした。また、スクラムに関しては、各々に独自の理論を持つ指導者の方々も多く、その意思統一には大変苦労をしました。その中で「ソフトエンゲージ」という言葉の一人歩き、夏の菅平で話題となったスクラムの組み方に関東風・関西風の差異が生じるなど、意思統一の不徹底があり、多くの指導者に混乱を招いたことは、この場を借りてお詫び申し上げます。
しかし、秋の全国大会予選開始頃には何とか意思統一も図られ、新ルール適用後、全国高校ラグビー大会終了まで高校生のスクラムでの重症事故は0でありました。レフリー、各チームの指導者の皆様に感謝する次第です。特に、各県の予選では、チーム力に大きな差があるチーム同士のスクラムに大きな懸念が持たれていたわけですが、各県委員長のリーダーシップ、レフリー、指導者の皆さんの協力もあり、ゲーム前のブリーフィングで充分に意思統一(ソフトエンゲージで組む・ノンコンテストにする等)が図られ、安全にゲームが実施できた県も多かったと聞いております。また、ユースのスタッフからも指導者のスクラムに対する意識が高くなったこと、「1人立ち」したスクラム姿勢を目指すことで、タックル、モール、ラックの姿勢にもいい影響が出ているなどの意見もいただいております。U19スクラムプロジェクトとしましても、次年度に向けた課題を念頭に置き、さらに「安全で正しいスクラム」を推進していく所存であります。今後もさらなる皆さんのご指導、ご協力をお願いします。
最後になりますが、現在、各都道府県では新チーム(1、2年生)となり、新たなチーム作り、新人大会も始まっていることと思います。スクラムを組むプレーヤーもまた一から作り直しというチームも多いかと思います。しかし、指導者・レフリーは2年目ということでつい油断しがちです。「安全で正しいスクラム」の推進はスタートしたばかりであると考えております。ここで大きな事故でも起こると、その推進に大きなブレーキとなりかねません。この一年間以上に細心の注意を払ったスクラムの指導をお願いし、本文のまとめとさせていただきます。















